はい、石義です。
今回は3D業界で使われる3DCADと3DCGの違いについて話してみたいと思います。
上司にFusion360について話した内容をほぼそのままコピペするので、Fusion360中心の話し方です。
3DCAD
3DCADは製造業で広く使われているソフトですが、企業ごとで使用されているソフトが違います。 ソフトが違うというのが一番面倒なところでして、使っているソフトが違うという理由だけで仕事が取れないことも多々あります。 一応共通のファイル形式(中間ファイル)はありますが、上手く保存されないことも多いです。
有名なソフトでいうと
- Solidworks(ソリッドワークス):一応日本で一番ユーザー数が多いとされています。
- Inventor(インベンター):次に多いのがオートデスクが出している物です。
- CATIA V5(キャティア):自動車業界では鉄板とも言われる3DCADソフトです。
基本的に上に挙げた3つの3DCADが業界の中では強い方で、次にあげるのがマイナーなCADソフトです。
・Rhinoceros(ライノセラス):安価ですが機能は多く、様々なファイル形式でデータを出力できるので、僕がフリーランスで働いていた時に使っていました。ソリッドワークスのデータも開けますし、3DCGのデータも扱えました。
・Fusion360(フュージョン):3Dプリンターの勃興と共に現れた基本フリーの3DCADです。必要十分な機能は備えていますが、出力できるファイル形式に不安が残ります。一応共通データ形式で出力することはできます。しかし図面を描いてくれと言われた時に少し難しいところがあります。
今Fusion360で仕事を取ろうとしても、マイナーすぎて、断られるかもしれません。 新興のベンチャー企業を相手にするなら、Fusion360を使っているかもしれないので、案件は取りやすいかもしれません。 基本的に企業は同じソフトで作業して欲しいと絶対に思うはずなので。
自動車部品メーカーの設計部で働いていたのでわかるのですが、 自動車業界では、トップのトヨタがCATIAを使うので、その下請けもCATIAを使います。 そして納品するデータは2D(図面)で行っていました。
一般的に3DCADでできることは
- 3Dモデリング(3Dプリント用データや製造部品の設計など)
- アセンブリ(モデリングした部品同士を組み合わせる)
- 干渉チェック(アセンブリした部品群を動かした時に、部品同士が干渉しないかをチェック)
- CAE(シーエーイー、物理演算で部品の強度などを試験することができます)
- 製図(3Dモデリングしたものを2Dの図面にします)
この辺の機能はFusion360にもあります。
3DCADで仕事を取る場合に考えられる案件が、
- 開発中の部品群のモックアップとして3Dプリント用のデータを作成して納品する。データだけでなく3Dプリントもこちらで請け負うなど
- 製図(2DCADの分野ですが、3Dモデルを2Dの図面に落とし込むことも考えられます)
- CAE(部品の強度計算、難しい分野です) とりあえずこれぐらいです。
本気で3DCADで仕事をフリーランスのような形で取ろうと思ったら、Solidworksの購入を考えます。 使っている企業も多く、機能的になんの不安もないからです。 Rhinocerosも万能なのでお金がなければこのソフトでいきます。
3DCG
3DCGは3DCADよりかはシンプルで、主に
- MAYA(マヤ):価格が高い、高機能
- 3ds Max(スリーディーエスマックス):価格が高い、高機能
- Blender(ブレンダー):無料、高機能
- Zbrush(ズィーブラシ):割と安価だが癖がある
という4つのソフトがメジャーで、他のソフトを使うところは少ないです。
企業で使われているのは、基本的にMAYAです。
個人やベンチャー企業ではBlenderが使われます。
Zbrushはマイナーですが、3Dモデル(人物や生物など)のモックアップをささっと出す時に活躍しやすいソフトです。
3DCGは理解するのに時間がかかるため、経験を積んだ人に仕事を頼みたいという企業が多いので、案件は取りやすいかもしれません。 ただこちらの能力次第では無理なものもあります。 アニメーションは自信がないので、僕個人としては自ら案件を取ろうとは思っていません。
3DCGでできることは
- 3Dモデリング(3Dプリント用データ作成や人物モデル作成など)
- レンダリング(Webサイトの画像として起用するなど)
- UV展開(3Dモデルを2Dに展開)
- テクスチャ作成(人物モデルの顔や服の絵を描きます)
- リギング(アニメーションで動かすための骨格を作ります)
- アニメーション(TVCMや企業説明会などで使われるアニメーションの作成など)
と色々ありますが、一番覚えやすくて楽なのは3Dモデリングとレンダリング、テクスチャ作成のあたりです。 最近はVtuberなどのための人物モデリングが恐らく盛んなので案件を取りやすいかもしれません。
今のところ思い当たるのはこれぐらいです。
僕的には案件を取る難易度が低い3DCG分野に進出するのがいいのかなと思います。
僕が勝手に考えているのは、レオパレスなど不動産業界と3DCGの組み合わせです。
建築は2Dの図面だけで動く業界ですが、 不動産屋で部屋を探す時に2Dの図面を見せられても実感が湧きません。
そこで3DCGで部屋や住宅をモデリングして、 VRで部屋の様子などを知ることができればとても楽そうですし、部屋探しの効率が上がりそうです。
ということで不動産屋と手を組めたら面白いだろうなと考えています。 難易度も低いと思います。 とりあえず長文失礼しました。
以上、今のところ考えられる3D案件についてでした。